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「えこる」のエコロジー" Ecole " ecology

「えこる」のエコロジー


市販されている革靴のほとんどは、外国で放牧飼育された牛革が使われています。 放牧された牛は6〜7年のあいだ大量の紫外線を浴び、風雨や雪にもさらされることから、放牧にされた牛革は厚くて硬くなります。
さらに食肉から剥がされた生革は、腐敗を防ぐために塩漬けされ貯蔵されるので、塩漬けの肉が硬くなるように、塩漬けされた牛革はさらに硬くなってしまいます。

そのあとで牛革は塩抜きされるのですが、動物性繊維である牛革にしみ込んだ塩分は、水洗いしても完全に塩分が除去できません。 この状態で牛革は「なめし(鞣)」と呼ばれる工程に回され、生革に含まれる脂肪やタンパク質等の除去が行われるのですが、 実はこの「なめし加工」には三価クロムや六価クロムという化学薬品が用いられることから「クロムなめし」と呼ばれるのですが、 この薬品は革に含まれる脂肪やタンパク質の除去に有効ですが、革に微量の塩分が含まれることから中和しにくくなり、 この化学物質が動物性繊維のかたまりである革の内部に残存してしまいます。

一方、「えこる」の靴は、牛舎で育てられた紫外線をあまり浴びていない国産のナチュラルな牛革(特製環境レザー)を使用し、 塩漬けのかわりに「植物性タンニンなめし」 (注1)を採用しており、タンニンやカテキンの作用により靴の中のニオイや雑菌の繁殖を抑制しています。
さらに、「えこる」の靴は植物染料による「草木染め」を採用しており(注1) 、100%国産の素材を使用して、さらに革の表面をやけどさせるような加熱成形や革を塗装しない、環境と健康に配慮した安心素材を用いて国内で製造しています。

また、市販の革靴に使われている接着剤にも問題があります。 通常、靴の製造に使用されるシンナーやトルエンを含む合成接着剤は、住宅建築や家具の製造、自動車の内装に多用されてきましたが、ハウスシック症候群が発生することから、現在では使用をさけることが常識となっています。 しかし、靴作りの現場ではいまだにシンナーやトルエンを含む合成接着剤が大量に使用されています。 でも、健康靴の製造に健康を害する接着剤を使用することはできません。
「えこる」では、手につけても荒れない安全無害・無臭の水溶性接着剤を使っています。 また、この接着剤が直接足に触れないような靴の構造を考案し、各種アレルギーや化学物質過敏症の方も安心して履ける靴作りを12年続けており、靴箱を開けたときに接着剤や革靴のニオイがしないとか、「えこるのお店は靴屋さんのニオイがしない」と言われるレベルまで、独自の「靴内環境基準」に準じた徹底した品質管理を行っています。

ここまでは、靴の製造に関する説明でしたが、実は靴を販売した後も注意が必要です。 たとえば家庭で革靴をお手入れするときに、靴ズミやツヤ出しクリーム・撥水スプレーなどを使っていませんか? 実は、こうした靴のお手入れ用品にもさまざまな化学物質や防カビ剤が含まれています。 このため、靴はお手入れすればするほど、外側はピカピカになりますが、靴のお手入れによって、靴には化学物質がどんどん蓄積されて行くことになります。
そこで「えこる」は、ご来店のたびに無料で革に動物性の革用栄養クリーム(保革油)を手で塗り、「えこる」独自のオゾン発生装置を使って靴の殺菌消臭を行っています(注2) 。
特にペットと暮らしている方は、毛根が付いたペットの毛が履物の中に付着するため、定期的に靴類の殺菌消臭を行うことをお奨めします。

最近、「地球にやさしい○○」「環境に配慮した○○」というフレーズをよく見聞きしますが、「えこる」では、フレーズやイメージだけではない靴にまつわるすべての環境を考えた靴作りと、靴が廃棄されるまでの総合的な環境保護と安全確保を実践しています。 例えば「えこる」の靴は、捨てられた靴が丸ごと不燃ゴミにならないように、靴底と甲革を分離しやすい構造にしています。 家庭から出る靴類のゴミは、紙ゴミや生ゴミと一緒に焼却場に直行してしまいますが、靴類は、ダイオキシンが発生しやすい素材で作られているため、極力焼却せずに家庭から廃棄される靴類を回収(画像)すべきであると考えています。 このため「えこる」の健康靴は、あらゆる修理が可能な「ステッチダウン」と呼ばれる製法にあえてこだわると共に、「えこる」各店では通年、家庭から廃棄される靴類の下取りを行っております(注2) 。
こうした地味な努力の結果、「えこる」健康靴の平均使用年数が6,5年と長くなり、お客様から「元が取れる健康靴」と好評となり、結果的に靴類のゴミの削減や、廃棄された靴類を焼却処分にしないことに伴うCo2の削減に12年間も貢献することができました。

また「えこる」の店舗では、ほとんどのお客様がその場で加工された靴を履いてお帰りになるため、お持ち帰りにならなかった靴箱は、ダンボール回収業者に渡さず、靴箱もつぶさずにそのまま工場へ送り返し、再利用(リターナル)をしています。 靴箱はつぶさずに再利用したほうがはるかにCo2が削減できるのであり、すべて国内で製造することで輸入品に比べ、商品の移動距離が短くなり、輸送中に発生するCo2を削減することができます。 なお、都内の「えこる」の店舗では、靴を入れる紙袋はあえて印刷せず、木版で「えこる」と捺印しています。 これも「靴を入れた紙袋は再利用しないから、印刷することはもったいない」との考えから続けられて来た慣例です。

考えてみれば、植物タンニンなめしの牛革や敷き皮に用いられる豚革(ピッグスキン)そのものが食肉生産の副産物であり、その副産物を「食べられるほど安全な素材を焼却するのはもったいない、焼却に伴うCo2の削減をすべきである」との考えから始めたリサイクル素材なのです。 「えこる」のこうした地味な努力は、地球規模でみれば些細なことですが、まさに一人一人の「足元からの環境保護」が、やがて大きな環境保護につながると「えこる」は確信しています。
(注1)一部製品を除く
(注2)一部店舗を除く